fuskushima_hope_jp
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56789101112嵌師法こぼし1 2 3 433震災を乗り越えるモノづくりへの情熱伝え継ぐ技と心日本は世界有数の焼きものの国である。窯元の数が一説には4000以上。個性豊かな産地を直接訪ねるのは楽しい。海外の陶芸ファンたちが日本で窯元巡りをすることも増えてきた。陶磁器の制作現場を見て、気に入った器を購入する。何より作り手と直に接することができるのが魅力だ。浜通りを代表する焼きものが浪江町の大さんと賢学さんの作品は緻密な象願いをかける縁起物の置物として日本ではポピュラーなダルマは、双葉町を代表する工芸品だ。毎年1月には「双葉ダルマ市」が開かれ、巨大なダルマの神輿も繰り出し、多くの観光客で賑わう。ダルマの作り手は農協の女性たちで、筆で一つずつ手彩色をする。ダルマの色が7色あるのが双葉ダルマの特徴で、金は金運、ピンクは恋愛などそれぞれに成就したい目的が異なる。大熊町のおおちゃん小とうきちろうがまたかしまなぶぞうがんみつまたおおぼりそうまやき堀相馬焼である。江戸時代から続く陶吉郎窯はその窯元の一つで、近藤学さんの父子が営んでいる。震災の影響で浪江町を離れ、いわき市に新たな窯を構えた。ギャラリーにはさまざまな陶磁器が並び目移りする。「伝統的な相馬焼は馬の絵で知られますが、二重の構造も特徴の一つです。熱いお茶を入れても持つことができ、保温性も高まります」(色の異なる陶土を埋め込んで文様や絵を描く手法)を施した現代作品。賢さんの作品もモダンなフォルムで、青白磁の柔和な色彩が印象的だ。二人とも公募展での評価も高く、体験教室は二人から直に陶芸を教わる絶好の機会だ。同じいわき市の遠野は、稲田の広がる郷。ここにこうぞは伝統の手作りの遠野和紙が今も根付いている。楮や三椏などの植物繊維を素材とする和紙の特徴は、パルプを原料とする洋紙とは異なる複雑な構造による強度と1000年以上もつ耐久性だ。しかも材料はたった1年で育つというエコな紙である。「遠野和紙工房 まなびや学舎」では水に溶かし込んだ楮の繊維を掬い取る「流し漉き」によって和紙を製造している。見学や紙漉きの体験もできる。は、町ぐるみで会津若松市に一時避難していた大熊町が感謝の意味を込めて、町のキャラクターのクマをかわいい小法師(子どもの意)にした。起き上がり小法師は会津の伝統的な工芸品で、倒れても自然に起き上がる仕掛けをもった小さな人形だ。福島の伝統工芸が震災にくじけることなく、力強く再起していく姿を象徴している。1 ダイヤモンドダストを描いた近藤学さんの作品。2 遠野和紙に装飾を施したランプシェード。3 風合いの豊かな遠野和紙。見た目も手触りも優しい。4 造形的な近藤賢さん作の酒器は評価も高い。5 伝統的な大堀相馬焼は二重構造で温度を保つつくり。6 新しく造った堅牢な登り窯の前に立つ近藤さん親子。7 遠野和紙工房「学まなびや舎」で和紙を漉く高嶋翔太さん。8 山に囲まれ、田園が広がる遠野の町。9 双葉ダルマ市は毎年1月に行われる。(写真提供・双葉町観光協会)10 双葉のダルマは農協の女性たちにより一つずつ手彩色される。11 ダルマの彩色をする石田惠美さん。自宅はダルマ工房を兼ねる。12 名産の鮭と梨を抱えた大熊町のマスコット「おおちゃん」をイメージしたカラフルなおもちゃ。陶吉郎窯浪江町からいわき市に移転した陶芸家・近藤学・賢父子の窯。伝統的な相馬焼からコンテンポラリーな作品まで製造。併設のギャラリーで観賞・購入できる。遠野和紙いわき市遠野町でつくられてきた400年を超える伝統の和紙。遠野和紙工房「学舎」にて製造している。役場に申し込めば工房で紙漉き体験をすることができる。双葉ダルマ市毎年1月上旬に開かれる双葉町ダルマ市では、多くの双葉ダルマが並ぶ。さまざまな催しもあり、双葉ダルマを購入できる貴重な機会。おおちゃん小法師大熊町のゆるキャラ「おおちゃん」を、倒れても立ち上がる「起き上がり小法師」にした。震災に負けないという思いがこもるマスコット。販売はしていない。甦れ、手の技

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